騒音から解放されたい皆さんの為に・・・

騒音の基礎知識

騒音は、通常の生活環境において不快または有害と感じられる音を指します。騒音は個人の感覚に依存するため、ある人にとっては不快な音でも、他の人にとってはそれほど気にならない場合があります。

また、騒音は「出す側」、「受ける側」の視点を変えると、騒音に対する対処法も変わってきます。例えば、自宅でのピアノの練習音をご近所の迷惑にならないための対処法(騒音を出す側)と、ご近所から聞こえるピアノの練習音に困っている時の対処法(騒音を受ける側)は異なります。 ここでは、騒音の基礎知識を紹介します。

目次

騒音の目安

騒音の大きさ(騒音レベル)は、音の強さでデシベル(dB)の単位で示し騒音計で測定出来ます。下の表は騒音レベルと感じ方の目安、具体例を示しています。 一般的には、ふつうの会話である60dB以上の音は、うすさいと感じるため、壁が薄い住宅や住宅密集地では、ふつうの会話でも騒音に分類されることがあります。

騒音の種類と対応する法規制等

騒音はその発生源や特性によって、以下のように分類され適用される法規制なども異なります。身近な生活騒音に関しては、トラブルになりやすい一方で法律による規制はありませんが、あまりにヒドイ場合などは、軽犯罪法、刑法、民法などによって対処出来る場合があります。

  1. 生活騒音
    住宅地やオフィスでの生活音です。例えば、テレビの音、ペットの鳴き声、隣人の足音などが含まれます。
  2. 自然騒音
    自然現象による騒音です。風、雨、雷などがこれに該当しますが、一般的には不快とはみなされない場合が多いです。
  3. 工場・事業場の騒音
    機械プレスや送風機など、著しい騒音を発生する施設であって政令で定める施設を設置する工場・事業場が規制対象となります。
  4. 建設作業騒音
    くい打機など、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であって政令で定める作業を規制対象としています。
  5. 自動車騒音
    自動車単体から発生する騒音に対して、自動車が一定の条件で運行する場合に発生する自動車騒音の大きさの限度値を環境大臣が定めています。
  6. 深夜騒音等
    深夜営業騒音や拡声機騒音については、地方公共団体が地域の実情に応じ必要な措置を講ずることとしており、都道府県、市町村及び特別区が必要に応じて条例 等による規制・指導を行っています※風営法による規制もあります
  7. 騒音全般
    騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい「環境基準」を定めています。
  8. 航空機騒音
    騒音に係る環境上の条件につき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい航空機騒音に係る基準を定めています。(環境基本法)
  9. 新幹線鉄道騒音
     騒音に係る環境上の条件につき、生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい新幹線鉄道騒音に係る基準を定めています。(環境基本法)

騒音に対する正しい対処法

騒音を「出す側」、「受ける側」の一般的な対処法を紹介します。

騒音を出す側の対処法

日常生活をおくるうえで、音楽を聴いたり、掃除機をかけたり、自動車のアイドリングをしたり、ペットが鳴いてしまったり、これらの生活騒音は誰もが出す可能性があります。生活騒音は、出さない対策をするのではなく、トラブルにならないことが最も大切です。 しかし、生活騒音の中でもピアノの練習やマンションの下階に響くような足音が出る場合等の騒音レベルが高い場合は、騒音対策が必要になってきます。

生活騒音をトラブルに発展させないためには

生活騒音をトラブルに発展させないためには、日常生活をおくるうえで、ルールやマナーを守り、ご近所への気配りをして良好な関係を築くことが必要です。

騒音を減らす5つの気配り
  • 時間帯に配慮
  • 音がもれない工夫
  • 音を小さくする工夫
  • 音の小さい機器
  • ご近所付き合いを大切に

トラブルにならないための騒音対策

代表的な騒音対策を紹介します。

  • 壁の防音
    壁に傷つけずに設置出来る防音パネルや吸音パネルなどがあります。
  • 床の防音
    防音性の高い防音床や簡易的に設置出来る防音マットなどがあります。
  • その他
    部屋を防音室にすることで防音性が高まります。また、簡易的な防音ボックスもあります。

騒音を受ける側の対処法

近隣の騒音に悩んだ場合は、騒音の発生元に直接苦情を入れることは避けてください。苦情を入れたことが原因で嫌がらせを受ける事が過去に多くあります。必ず第三者を交えた解決を図りましょう。

工事や子犬の鳴き声など、いつかはおさまる一時的な騒音の場合は、耳栓やヘッドフォンなどで対策することも考えましょう。

騒音で悩んだ時は第三者に入ってもらいましょう

第三者に入ってもらう時には、相談したことが騒音元に特定されないように、なるべく以下の順番に進めるようにしましょう。

STEP
管理組合や自治会に相談する

マンションの場合は管理組合や管理人に、戸建の場合は自治会や町内会長に被害を訴えて、張り紙などで注意を促してもらう。

STEP
役所に相談する

役所などの自治体などの相談窓口で対応を相談する

STEP
警察に通報する

騒音発生時に警察に通報して注意してもらう

テスト
訴訟

弁護士に相談をして訴訟を検討する

自分で出来る騒音対策

一時的に騒音対策をする場合は、効果も高く気軽に購入出来る耳栓や防音ヘッドフォンなどが有効です。また、静かな場所に移動することも気分転換にもなるのでよいでしょう。

騒音による健康被害

騒音は、短期的および長期的に健康に悪影響を与えることがあります。以下は、騒音による主な健康被害です。健康被害が起こる前の適切な対策が必要です。

  1. 聴覚への影響
    • 聴覚障害
      長時間高い音量の騒音にさらされると、永久的な聴覚障害や難聴を引き起こすことがあります。一般的には、85dB以上の音に長期間、長時間に渡って聴き続けると「騒音性難聴」になるリスクが高まると言われています。
    • 耳鳴り
      騒音による一時的な耳鳴りや、長期間にわたる慢性的な耳鳴り(ティンナイタス)が発生することがあります。
  2. 心理的影響
    • ストレス
      騒音は心理的なストレスを引き起こし、不安やイライラの原因となります。
    • 睡眠障害
      騒音によって寝付きにくくなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。これが慢性的な睡眠不足につながることもあります。
    • うつ病
      長期的な騒音曝露は、うつ病や不安障害のリスクを高めることがあります。
  3. 心血管系への影響
    • 高血圧
      騒音は血圧を上昇させることがあり、長期的には高血圧の原因となることがあります。
    • 心臓病
      長期間にわたる騒音曝露は、心臓病や心筋梗塞のリスクを増加させることがあります。
  4. 認知機能への影響
    • 集中力の低下
      騒音は集中力を低下させ、作業効率を妨げることがあります。特に学習環境では、学習効果を低下させることがあります。
    • 記憶力の低下
      騒音によるストレスや睡眠不足が、記憶力に悪影響を与えることがあります。
  5. 社会的影響
    • コミュニケーションの妨げ
      騒音によって会話がしづらくなり、人間関係にストレスを与えることがあります。
    • 社会的孤立
      騒音が原因で、外出を避けたり、社交活動に参加しなくなったりすることがあります。

まとめ

騒音は、私たちが生活する上で避けて通れない場合が多々あります。特に騒音は個人の感覚に依存し、自分でも気が付かない場合もあるため、トラブルに発展するケースもあります。また、健康被害を起こすこともあるため、適切な対策と対応が必要です。

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